みなさん、こんにちは。ACEです。
今日は、これまで4回に分けて紹介してきた海外営業マンが向上すべきビジネススキルの第5弾として「コミュニケーション力」に関してお話ししたいと思います。これまでの重要スキルの内容は下記からご参照下さい。
相手を否定せず相手を理解し、そのうえで自分の分かりやすい話に引き込む、これがコミュニケーションのベストケースだと私は考えています。
コミュニケーション力の向上は交渉力の向上に直結します。コミュニケーション力の高い人は、相手を理解したうえで、相手に自分のストーリーに共感してもらえるのです。
ビジネススキルの向上 コミュニケーション力
コミュニケーションの重要性に関しては、様々な方が語られていると思います。色々な関連書籍も出てますよね。私もいくつか読んで勉強した事があります。
今回海外営業重要スキルとして5番目に登場していますが、5番目に重要という事では決してありません。逆にどのスキルにも関連する根っことなるような重要な基本スキルだと考えています。
このコミュニケーション力を向上させる事は、皆さんの「交渉力」を向上させることに直結しますので、是非参考にしてもらえたらと思います。
コミュニケーション力とは具体的にどんなスキルか?少し漠然とした言い方ですので、私がこれまで気を付けていた内容、重要だと考えている内容を踏まえて以下のように分解してみました。
- 聞く力
- 分かりやすく話す力
- 相手を論破しないバランス力
この3つの力に分けられるかなと思います。
それでは一つずつ解説してみます。
聞く力
これも非常に良く言われている事ですよね。「聞くこと」というのは簡単なようでとても難しいですよね。
特に話すことが得意な方にとっては、「聞くこと」が出来ているようで出来てないケースも沢山あるのではないでしょうか?私も苦労しましたし、今でも気を付けている内容です。
仕事を一生懸命やっていれば相手に「話したい事」「伝えたい事」は、たくさん出てきます。
また全体像をしっかり描けるようなシナリオ構築力のある人も「自分のペースで自分のストーリーに沿って話したくなる」事が多いと思います。
ただ、忘れていけないのは「相手もあなたに話したい事、伝えたい事が有る」という事です。また、「相手には相手のストーリーが有る」という事です。
日本にも海外にも「自分の話したい事だけを一方的に話し続ける人」はいます。こういう方は非常に厄介ですね。自分のストーリーに酔ってしまって、なかなか聞く耳を持てなくなってしまってるんですよね。こうならないように要注意です!
相手と良いコミュニケーションを取る方法、それはとにかく「相手があなたに伝えたいと思っている事、相手のストーリーをしっかり受け止める事」だと思います。
相手が自分の話に酔っているとしたら、それはそれで構わないのです。相手が相手自身の話に酔っているので、自分も自分のストーリーを押し付けようとする必要はありません。
あくまで「相手を理解する」という事です。相手を理解してこそ、相手に理解してもらえます。
分かりやすく話す力
相手の話をしっかりと聞いた上で、自分が話をする番です。先ほども書きましたが、「自分が作り上げた素晴らしいストーリーに酔わない(笑)」事が重要です!
しっかりとしたシナリオ構築に基づいたストーリーを常に描いている事が重要です。そのベースがしっかりしていればしっかりしている程、相手に伝えるメッセージは明確になります。
※改めてここにもリンクを貼っておきます。是非こちら参照にしてください。海外ビジネスではシナリオを明確に!【ビジネススキルが向上】
但し、そのストーリーを1から10まで時間を掛けて長々と話さない事も重要です。
どんなに素晴らしいロジカルなストーリーでも「話が長い」と聞いている相手は集中力がなくなってきます。そして伝えたいメッセージが十分に伝わらない事が多いです。
しっかりとしたストーリーが頭に描けている上で、
話す時は出来るだけシンプルに!
これが先ず基本ですね。
ただ、シンプルに話せば良いわけではありません。それではただの「言葉足らずな良く分からないメッセージ」になってしまいます。
全体のストーリーが明確に頭に描けている事が非常に重要です。そしてそのストーリーの核となる部分が明確に伝わる事を意識して、話を出来るだけ簡単にすることです。
話を簡単にする方法の一つとして、私は良く「身近なたとえ話」に置き換えて話すという手法を使います。
話す相手によってその「たとえ」は変わるのですが、子供がいるような方であれば、子供の行動や子育てとリンクさせてみたり、独身の方であれば、恋人との関係性にリンクさせてみたり、サッカーが好きな相手であれば、サッカーに関連する内容にリンクさせてみたりと。。。
いつでもたとえ話が出てくるほど、私も万能ではありませんが、これも「事前準備」の一つとして、「こんな話にたとえて話してみよう」と準備の出来ることです。
★「事前準備」本当に重要ですよ!こちらの記事も参考にしてください。海外営業 英語でのビジネス交渉において重要な事②【事前準備!】
このように分かりやすく話す事で、あなたのメッセージは相手の頭や心にしっかり残る可能性が高まります。
相手を論破しないバランス力
最後に「相手を論破しないバランス力」という、あまり聞きなれない切り口を説明したいと思います。これはコミュニケーション力としてとても重要な一面だと思いますね。相手との議論が白熱してきたときは要注意です。
特に相手の言っている事があまりロジカルではなく、自分のストーリーの方が明らかにロジカルな時などは一層注意が必要ですね。
そのような時は、確実にあなたは相手を論破できるからです。但し、忘れてはいけません。「議論に勝つこと」が目的ではないですよね?相手に自分の考えに共感してもらいたい事がコミュニケーションの目的です。
そこを忘れて、いつのまにか「議論に勝つ」「相手を屈服させる」事を目的としてしまう人が多いようです。
たとえ議論に勝ったとしても、相手があなたに共感してくれなければ、相手はあなたに対して良い印象は残さないですよね。
もちろん「議論に勝つ事で、相手があなたの力を認める」というケースも有るでしょう。確かに海外顧客の場合は、日本人よりもこの点に関しては寛容だと思いますので、状況によっては「議論に勝ちに行く」というケースもあります。
但し、一般的には「相手を論破するのではなく、相手に自分のストーリーの方が良いかもと思わせる、気付いてもらい、共感してもらう」という事がより良い方法です。
相手を否定せず、相手を理解し(場合によっては理解したふりをし)、そのうえで、自分の分かりやすい話に引き込む
これがベストケースと思います。
ここがこの記事で一番伝えたいところです!
ここまで偉そうに色々書いてしまいましたが、果たして自分はちゃんと出来ているのだろうか?と胸に手を当てて、明日からのコミュニケーションに自分も注意していこうと思う次第でした。
また、冒頭にも書きましたが、コミュニケーション力の向上は交渉力向上に直結します。コミュニケーション力の高い人は、相手を理解したうえで、相手に自分のストーリーに共感してもらえるのです。
「交渉事」のゴールは相手を屈服させる事でも論破する事でもありません。自分が望む方向に、相手に納得してもらった上で進んでもらうことです。
海外顧客とのビジネスは一つの交渉事で終わるわけではありません。交渉後もビジネス関係は続くわけです。当然、顧客との関係性は良好に保つことが重要です。
ビジネススキルとしてのコミュニケーション力を上げる事で、このような交渉の進め方が出来るようになってきます。
交渉を英語で実践的に進める記事を具体的な事例を交えて投稿していますので是非参考にしてください。
交渉を英語で進める実践的なステップ【ビジネス事例①解雇交渉編】
海外の難しい交渉を英語でまとめる 【ビジネス事例②引取交渉編】
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